こんにちは。

今回は、温度管理搭載テクニカルMODの温度管理の実装について、掘り下げていきたいと思います。

まず、温度管理とは。
温度管理は、コイルの抵抗値が、温度に応じて変化することを使い、「今コイルがどれくらいの温度か」をMOD側が検知し、適切な電力を掛けて行く制御のことです。
コイルの抵抗値は、電流と電圧が分かれば算出できます。
なので、電圧しか見ない「VV」なMODでは実現できず、電力計算に電流も使う「VW」なMODに、温度処理ルーチンを加えることで実現します。

温度管理のやりざまですが。
物体の「電気抵抗」は、温度によって変化します。
具体的には、電子タバコで使われる温度内では、物体中、フォノンによる電子撹乱が高温ほど激しくなるため、温度が下がるほど抵抗値は低くなり、上がるほど抵抗値は高くなります。
 *Wikipedia丸パクリw。
 まあフォノンとは、「原子核の振動を量子化したもの」らしく、つまりちょいと原子核のバランスが悪いとフォノン発生しやすくなって、電気抵抗に変化が現れやすく、バランスがいいと電気抵抗に変化が現れにくいと。
電気自体は電子によって受け渡されるので、「そのものの抵抗」と、「抵抗の温度変化」は別、てことになるんだと思います。

で、電熱線としてメジャーな「カンタル」は、そのものの抵抗が高いけど、抵抗の温度変化が少ない、と。
そこで見つけてきたのが、「Ni200」や「Ti」などの物質。
どっちもそのまま「ニッケル」や「チタン」みたいです、Ni200の「200」はグレードを表していて、まあ一般的解釈だと「純ニッケル」でOKかと。

まあ温度によって抵抗値が変化する、これは電子タバコに限らず、ふつーの電気製品でも問題になります。
まあ「抵抗器」が温度によって値がバンバン変わったら、電気設計偉く大変ですもんね。

なので、抵抗屋さんが、温度による抵抗値変化のお話を、解説してくれています。
KOAさん、ROHMさんとかね。
今回の掘り下げは、KOAさんの資料使ってやっていきましょうか。

さて。
抵抗値の計算ですが、近似式として「TCR」があります。
これは抵抗温度係数という奴らしいです。
計算式は、こんな感じ。
tc03


R : 現在の抵抗値
R0 : 基準温度時の抵抗値
T : 現在の温度
T0 : 基準温度

です。
偉く小さい値になるので、「ppm」、つまり百万分率で表すのが一般的みたい。
なので10の6乗を掛けています。

まあでもTCRが分かってて、現在の温度を知りたいわけですよ。
なので、式をいじくりまわします。
tc01

これで、温度が求まります。

しかし!。
これはあくまで近似式。
どーやら、温度による抵抗変化は、単純な計算式に落とし込めるものではなく、正確な測定は、実測が必要なようです。
KOAさん解説にもしれっと、「なお,この抵抗温度係数(T.C.R.)は,温度によって抵抗値が直線的に変化することを示すものではありません」とか書いてあります。
・・・でもまあ、実用上は、ね?。

それでは実際に、各チップの温度制御を見ていきましょう。

まずSXとevic vtc mini。

SXの設定画面は、こんな感じ。
tc05
MANUAL TCR、が温度管理設定だと思います。
SXの場合、単位をppmで表現せず、生の値で出しています。
なので、0.00700とかなのですね。

evic vtc miniは素直です。
tc04
そのままPPM換算のTCRを入れるだけ。

まあ、演算式で表すことが出来るTCRは、結構便利、なのかも知れません。

が。
「近似式」であることから、実測値テーブルを使っているチップもあります。
それが、evolv DNA200です。
escribe上では、グラフによりポイントとカーブを入力する仕様です。
tc06
DNA40はデータ無いんですが、、、どうなんでしょうね。
ちなみに、escribeはCSVでグラフデータを落とせます。
今回は、このCSVデータを使ってみることに。

さて、TCRとテーブル、どっちがいいんでしょう。
実際に値を比べてみました。
サイトはこちら

結構興味深いです。
TCR600、0.1Ω時ですが。
TCR203度時、DNAは244度、1.2倍
TCR299度時、DNAは344度、1.15倍
TCR404度時、DNAは439度、1.08倍
TCR503度時、DNAは514度、1.02倍
TCR599度時、DNAは587度、0.97倍
となるようです。
大体550度くらいでクロス、それまではDNAが温度高めに検知している、て感じかな。
SXとDNAで味わいが違う原因は、このへんにもあるのかも知れません。

まあプリヒートだの温度上昇時の挙動だの、他にもあるのですが。
今回はこのへんで。

以上です。