こんにちは。

さて今回は。
便利に使われている、テクニカルMODの安全性について、EMC的な視点から掘り下げていきたいと思います。

テクニカルMODは、ほぼ例外なく、「バッテリーからの電気を高速でON/OFFし、アトマイザーに掛かる電気を調整」しています。
対して、メカニカルMODには、「バッテリーからの電気を使用者がON/OFFし、アトマイザーに掛かる電気は調整できない」ものです。
「電気を高速でON/OFF」、これがテクニカルMODのキモです。
・・・でも、「電気を高速にON/OFF」して、ほんとに大丈夫なのかな?ってのが今回の議題。

長くなったので、結論だけ先に:
・病院内や優先席、パチンコ台の前では、テクニカルMODは使わないほうがいいでしょう
・音楽制作現場やオーディオルーム、飛行機や最近の車など、ノイズに対して敏感な機材の前では、テクニカルMOD使用によるトラブルを招く恐れがあります
・テクニカルMODは、Fireすると電磁波、ノイズを発生させます
・メカニカルMODは、スイッチ入れた瞬間にノイズを発生させますが、通電中はノイズを発しません
・対ノイズ性を考慮する場合、テクニカルMODの外装素材は金属のものを選ぶか、内部に金属シールドがあるものを使用すると、マシかも知れません

では以下解説:

電気を高速にON/OFFすると、そのままではいろいろ出てきてしまいます。
emc16
引用:http://www.tdk.co.jp/techmag/emc2/200606/index2.htm

この「基本波」「高調波」が、いわゆる「ノイズ」です。

実際、DNA40の高調波を拾ってみました。

Fireに合わせて、無線機にノイズが拾われているのがわかると思います。

ただ電圧変換しているだけなのに、なんでこんなにノイズが出るのか。
それは、テクニカルMODはトランスを使わない「スイッチング電源」だからです。
emc02

引用:http://www.tdk.co.jp/techmag/emc2/200702/index2.htm

えぇ、、、未対策だと、ノイズ吹きまくりの危険なヤツなのです。

で、実際のところ、ノイズは、電波として放射します。
emc03
引用:http://www.murata.com/ja-jp/products/emc/emifil/knowhow/basic/chapter04-p1

もちろんこれは一般的なもの、テクニカルMODだけの事情ではありません。
対策も一般的に行われています。
emc04

そして、規制もあります。
emc05

 上記引用:http://www.fujielectric.co.jp/technica/faq/switching-powersupply/03.html

ですが、、、電子タバコはまだ新しいデバイスなので、電磁波的な規制や規格が、ありません。
なので、基板をそのまま組み込んだ製品が簡単に流通する、などのメリットもありますが、EMC的な安全性という意味では、それはデメリットです。

テクニカルMODの対策に関しては、以前の記事をご参照下さい。
ここでは簡単に、素材などを触れたいと思います。

ノイズの抑制は、「素子による吸収」と「遮蔽」が技術として使われます。
素子による吸収は、基板内のお話なので、買う側、使う側としてはどうしようもありません。
で、遮蔽ですが、まあつまり「シールド」です。

ノイズは電磁波です。
電磁波を遮蔽できる素材で基板が覆われているようなテクニカルMODなら、まあ覆われていないテクニカルMODより安全かな?とう判断ができるかと思います。
で、素材ですが。
emc09
 引用:http://www.ctv.co.jp/hapiene/lovelabo/2007/1125/index.html 

木やプラスチックはノイズを遮蔽しません。
金属ならOKです。
まあほら、、、携帯電話を金属ケースに入れちゃうと、いかにも電波受信落ちそうでしょう?。
金属は、ノイズを遮蔽してくれるのです。
なので、木やプラスチックで出来ているテクニカルMODも、中に金属で箱的なものが作られていたら、まあ安全と見てもいいかも知れません。
ナマのママは、ちとマズいかも?。

ただし!。
ちゃんと金属がGNDに落ちていないと危ないです。
こんなデータがあります。
emc06
引用:https://www.seiwa.co.jp/support/pdf/emc_measure_001.pdf

シールド、遮蔽目的で覆ったのに、GNDに落とし損ねて却ってノイズを噴いちゃった、ってお話。
GNDとは、「接地」のこと、金属が絶縁された状態で存在し、そこにノイズが取り付いた場合、金属がアンテナとして動いてしまうことがあるのです。
テクニカルMODの場合、例えば電池蓋とか、ちゃんと金属同士が接続されているかどうか、確認したほうがいいかもね。

余談ですが、プラスチックに金属を蒸着してある場合、 ノイズを遮蔽するケースとしないケースがあります。
例えばこんなの
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某社のデジカメですが、GPSがついてます。
GPSアンテナは、GPSのロゴの上に収まっていますが、この上のプラスチック部品には、蒸着で金属っぽい質感が出ています。
んがこれ、「不連続蒸着」という蒸着をしており、電波を遮蔽しません。
電波を通す、つまりノイズを通します、金属っぽいのに。
まあコストかかるので、普通の加飾は、連続蒸着するとは思いますが、、、。

で、もちろん電子タバコは。
「アトマイザー」を使います。
アトマイザーはおもいっきりアンテナっぽい動きをします。
emc07
引用:http://www.murata.com/ja-jp/products/emc/emifil/knowhow/basic/chapter04-p2
「ループアンテナモデル」そのままですよね・・・。
なので、本当に設計が悪いテクニカルMODは、テクニカルMOD筐体部をいくら工夫しても、アトマイザーからノイズを噴く、てのも考慮してみて下さいな。

さて、、、。
規制も規格も無く、利用者側からみたら、使っているテクニカルMODがノイズを出しているか、出していないか、確認する術はありません。 
なので、現状、テクニカルMODを使う場合、「危ない所では使わない」が正解だと思います。

どこが危ないのか?。

まず、ノイズを極端に嫌う場所では、テクニカルMODは使わないほうがいいでしょう。
携帯電話NGなところ、具体的には病院や優先席付近です。
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あとオイラはやらないので伝聞ではありますが、パチンコなるものは、歴史的経緯から、ノイズに対してシビアらしいです。
しかも「ノイズ出したらものすごく怒られる」的な意味で。
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いわゆる電波ゴトとかそのへん対策に引っかかる可能性があります。
下手に使って、なんかトラブルになると、大変ですよね・・・。 

ノイズに対して敏感なのは、現在では「音楽」周りです。
音楽制作環境では、細心の注意を払わないと、ヘタしたら機材ぶっ壊します。
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 マイクやレコード出力は、かなり信号が小さい為、増幅しまくりです。
そこにノイズ飛びつかせると、最悪機材壊します。
エフェクターやシンセサイザーもまあ同様。
エレキギターに使われるピックアップも、ノイズを拾いやすい構造なので、危ないっちゃー危ないです。

で、音といえばこんなのも注意。
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 オーディオルームでは、外来ノイズを防ぐ対策を重厚に行ったりしますが、オーディオルーム内でのノイズ発生は、考慮しきれていない場合があります。
また、アナログプロジェクタなど使っている場合、映像にノイズ出しちゃう場合もあります。

飛行機や車なども一応注意が必要かと。
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飛行機はもちろん、最近の車は電子制御の塊です。
万が一なんかやらかしたら、取り返しつかないですし。

では、テクニカルMODが危ないシチュエーションで、電子タバコを楽しむには?。
答えは簡単、メカニカルMODを使えばいいのです。
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メカニカルMODは構造上、スイッチングノイズを「スイッチのON/OFF以外では」発生させません。
なのでノイズ的には比較的クリーンです。
但しKickとか仕込んじゃダメですよ。

以上、テクニカルMODのEMC的な安全のお話でした。

電子タバコにもちゃんとした規制があれば、このへん「マークの確認」だけでOKなのですが・・・。
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まあそこらへんは、時間が解決してくれるのかも知れません。

それでは皆様、ご安全に!。