こんにちは。

さて今回は。
なんかぼんやり、「テクニカルMODはバッテリーに対する安全性が担保されている」とか言われている件につきまして。
実際のところどうなのか、設計例をもとに考えていきたいと思います。

さて。

実は、リチウムイオン電池を安全に使うためには、単セルの場合、以下の回路ブロックが、 主制御の他に必要となります。
batsafe3

論拠は、VTC4のデータシート、該当部分はこれね。
batsafe1
 
保護回路として
・過充電保護
・過放電保護
・過電流保護(充電/放電)
・セル表面温度保護
の4つを求められています。

オイラの知る限り、この4つを厳密に全部守っているテクニカルMODは、 存在していません。
特にセル表面温度ね、セル表面に温度計つけてるMODってありましたっけ?。

まあそれを踏まえて。

上記構造を守るためには、バッテリー部分に、以下の回路ブロックが必要な気がしています。
batsafe3

このうち、「制御回路」は、「電気を使う」ものであること、留意して下さい。

まあ手抜きにテクニカルMODを作るとしたら、以下のブロックになるかと。
batsafe4

 「DDコンバータ」は非作動とすることで、遮断スイッチに代わりになります。
DDコンバータにも温度の限界は存在するため、DDコンバータ部と共用でバッテリー温度も見ちゃえ!。
DDコンバータ動かしてる制御ももちろん、LOW BATTERYとか出さないといけないから、バッテリーの電圧見るよね!。
このMODはVWMODなので、アトマ側に電流検知あるさ!、DDコンバータにプログラムしている電圧と、バッテリー電圧の比を計算すれば、バッテリーから出てくる電流計算できるし、DDコンバータを想定以上動かさなければ電流保護になるさ!。

これ、危ないMODの例です。

どこが危ないのか。
もちっと省略して書いてみます。

ある程度ちゃんとした実装
batsafe5

電圧検知と制御回路を前段に独立して配置し、遮断スイッチを実装。
電圧検知と制御回路には、「リセットIC」を使用。
例えばこんなのね。
batsafe8

  URL : http://www.sii-ic.com/jp/semicon/datasheets/power-management-ic/voltage-detector-reset-ic/s-808xxc/

消費電力は0.8uAです。

ダメ実装
batsafe6
主制御系で共用。
DDコンバータの非動作で、安全を担保。

これの何がダメなのか。

例えばDNA40で使われている、「ATMEL SAM D21」シリーズのCPUの場合。
batsafe9
 URL : http://www.atmel.com/ja/jp/tools/ATSAMD21-XPRO.aspx?tab=overview

25度時、プログラムが最低限走るモードである、IDLE2モードで、最大1.28mA、外部割り込み以外では起きないスタンバイモード時、最大12.2uA電流を消費します。

しかし消費される電流は、ここだけではありません。
CPUは、バッテリーの電圧を直接使えません。
なので、「LDO」という素子で、電圧降下させてCPU用の電源を作っています。

DNA40には、TIのLP2980というLDOが使われています。
こいつの消費電流は、こんな感じです。
batsafe10
 URL : http://www.ti.com/lit/ds/symlink/lp2980-n.pdf

0mA出力時、つまり無負荷時でも、80~100uAの電流が消費されちゃいます。

軽くまとめると:
・リセットICを使って、遮断スイッチ構成だと、遮断された後0.8uAバッテリーが使われる
・主制御系でまとめてバッテリー保護を実装すると、遮断された後最低100uA、実装によってはミリアンペアクラスでバッテリーが使われる

ことになります。

リチウムイオン電池の放電曲線は、こんな感じなので・・・
 discharge
まあ例えば2800mAh電池使ってる場合、ざっくり3Vまで落ちたら残り容量は厳しい条件で200mAhくらい。
ここから1mAh使われると200時間、 100uAhで2000時間、0.8uAhで250000時間で終止電圧、「カラ」になります。
リチウムイオン電池は、 終止電圧を超えて使うと金属リチウムがコンニチハして爆発する恐ろしいヤツ。
あまりふざけた実装だと、電池カラになって10日放置で爆発する時限爆弾MOD、になってしまうのです。

さてでは実際に、基板見てみましょう。
DNA40は、こんな感じです。
dna40_i
dna40_j
これはあくまで推測ですが、DNA40は、リセットICによる実装を行っているように見えます。
上の画像「LDO」の下にある、6ピンのIC、これがリセットICかなと。
そして、下の画像、MOSFETが3つありますが、DDCとして動かしているのは上下で組になっているものかなと。
右側にある縦長のFETは、いわゆる「遮断スイッチ」ではないかと推測します。

DNA200はどうでしょう。
dna200_test04
dna200_test05
DNA200は、独立してバッテリーマネジメントICが搭載されています。
こんなのね。
batsafe7

  URL : http://www.tij.co.jp/product/jp/BQ76925

  *3セル~用って書いてあるのが気になるけど・・・。
こいつの消費電力、スリープ時1.5uA。
で、CPU駆動用のLDOを省略?、こいつから出しているのっぽいので、スリープ時はこいつ以外電力使いません、多分。

なのでまあ、少なくともDNA40と200に関しては、過放電によるバッテリー爆発のリスクは、あんま無いかなと。
但し、世の中に数多くある、それっぽいテクニカルMOD基板が、全て同じ実装であるとは限りません。
特に小型なのは、別実装で面積とコスト食う「安全回路」を省略したくなる気持ちは分かりますが、、、まあ危なくなってくるよね。

このへん、回路図やブロック図が隠され気味で、また規制も無く、確認機関も無い電子タバコの、危ない部分かな、と思います。
まあエンドユーザーには確認のしようがない部分ではありますが。
できれば、基板屋さんやMODメーカーさんが、「安全性、こんな技術使ってます」ってアナウンスしてくれると、安心かな、と思います。
が、どうなんでしょうかね。

以上です。