こんにちは。

さて今回は。
最近よーでてきた、出力の大きいテクニカルMODの出力上限について。 
割りと質問受けますので、まとめてみたいと思います。

こんなのね。
amp3

さてまず基本的なところから。
巷でよーいわれてる、「VW MOD」、つまり電力調整型のMODですが。
回路構成上、実は電力調整をしているわけではありません。
現状ほぼ全てのMODが、電圧を調整することで出力を調整しています。
オイラが前作ったパワートランジスタベースのアナログシンセに繋ぐMODや、まあ無いですが真空管を使うMODなんかは、「電流調整」MODです。

まあ、電力は、「電圧x電流」です。
電圧と電流とは・・・。

まあ電気を、川だとしますと。
amp5
 
川の「太さ」が「電流」、川の流れの速さが「電圧」です。
水の流れる量を測る時、川の太さと、川の流れの速さを掛けあわせれば、出ますよね。
これが、電力にあたります。

途中にダムを作り、川の太さを細めて、川の速さを増す構造のが電圧調整、川の太さを弄るのが電流調整です。
いわゆる過電流だと、川の太さ以上に水が流れて溢れ、洪水となります。
電気的には、回路の発熱や焼損事例です。
過電圧だと、川の護岸が壊れ、これまた洪水となります。
電気的には、絶縁破壊事例です。

電気回路には全て、「最大電圧」「最大電流」が存在するのは、そんなワケです。
テクニカルMODの基板は、電圧調整型なので、最大電圧が良く語られますが。
もちろん、「最大電流」も存在します。

出回ってる基板ベースで、それぞれの基板の素性を並べてみましょう。
amp4
 着目点は、「電圧」と「電流」です。

抵抗値を0.05オームから1.5オームまで、電圧を1-10Vかけたときの、電力、及び電流をプロットしてみました。

まずは電力から
amp1

グラフの線の一番左が0.05オーム、3Vかけただけで、200Wに到達しています。
グラフの線の一番右が1.5オーム、10Vかけても70Wくらいしか出ていません。

次に電流
amp2
グラフ線一番左、0.05オームの場合、1Vで20A強、2Vで40A以上流れています。
グラフ線一番右、1.5オームの場合、10Vで8A弱しか流れていません。

つまり、同じ電力を掛けたい場合:
低抵抗だと、高電流が必要、電圧は必要ない
高抵抗だと、高電圧が必要、電流は必要ない
ことになります。

ここでもいちど、各基板の素性を見てみましょう。
amp4

まず電流に着目。
DNA75 : 30A
DNA200 : 50A
DNA40 : 16A
SX350J-V2 : 40A
dicodes no6 : 20A
RX200 : 30A ( フォーラムより、予測値 )
です。
それぞれの最大出力電力から、最大出力時の最低抵抗値が分かります。
W = V x I
V = R x I
W = I x I x R
R = W ÷ I ÷ I

よって:
DNA75 : 0.08 ohm
DNA200 : 0.08 ohm
DNA40 : 0.156 ohm
SX350J-V2 : 0.046 ohm
dicodes no6 : 0.15 ohm
RX200 : 0.27 ohm
これ以下の抵抗値の場合、最大電流にあたり、最大出力を出せない可能性があります。

次に電圧に着目:
それぞれの最大出力電圧から、最大出力時の最大抵抗値が分かります。
DNA75 : 6.2V
DNA200 : 9.0V
DNA40 : 9.0V
SX350J-V2 : 9.5V
dicodes no6 : 12V
RX200 : 9V
W = V x I
I = V ÷ R
W = V x V ÷ R
R = V x V ÷ W

よって:
DNA75 : 0.51 ohm
DNA200 : 0.4 ohm
DNA40 :  2.0 ohm
SX350J-V2 : 1.2 ohm
dicodes no6 : 2.4 ohm
RX200 : 0.324 ohm

まとめると:
各基板が最大出力で遊べる抵抗値範囲は:
DNA75 : 0.08 ohm ~ 0.51 ohm
DNA200 : 0.08 ohm ~ 0.4 ohm
DNA40 :  0.156 ohm ~ 2.0 ohm
SX350J-V2 : 0.046 ohm ~ 1.2 ohm
dicodes no6 : 0.15 ohm ~ 2.4 ohm
RX200 : 0.27 ohm ~ 0.324 ohm
 *RX200のみ、最低抵抗はフォーラムからの予測値です
 *もし仮に最大出力電流が50Aの場合、RX200は「0.1 ohm ~ 0.324 ohm」です。

となります。
こうみると
・DNAシリーズは低抵抗にシフトしていること
・高抵抗で遊ぶには、最適となる基板が変わってくる気がすること 
が、見えてくる気がします。

余談ではありますが、DNA75/200は、他の基板に比べ、最低出力電圧が低いので、低抵抗時の電力制御に優れています。
1W掛けられる最低抵抗値
DNA75 : 0.04 ohm
DNA200 : 0.25 ohm
SX350J-V2 : 1 ohm

まとめてみると、基板ゴトに結構違いがでて、ちょっとびっくりな感じです。
皆様の基板選定の一助になれば、幸いです。

以上です。