こんにちは。

さて今回は。
光るMOD、プロジェクト名「HIKARUMOD」の作製顛末について。
まとめていきたいと思います。
 *FBのグループ、HOWITでの公開内容をまとめたものです、って画像しか使いまわしてませんが。

一見、ふつーのMODに見える、こんなのね。
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さて、今回は。
チャレンジ項目として、「基板作製」をやらかしてみました。
市販の試作用基板の使い回しではなく、CADでデータを描き、基板屋さんに基板を作ってもらう、そんなチャレンジです。
但し部品の実装は、手作業で行う前提です。
いやあ、、、実装用のマクロまで、、、作れないですし。

では、順を追って書いていきましょうか。

まず、使ったCADについて。
電気用のCADは、大きく分けて「電気回路用CAD」と、「基板用CAD」に分かれています。
基本的に別プログラムで、「ネットリスト」という回路・部品接続データを親にして、連携を取ります。
また、別に、部品表、「BOM」と呼ばれるもので部品情報を管理します。
BOMには部品の定数などのデータや、部品の外形やハンダ用のパッドの大きさ、基板へのシルク印刷を指示する「マクロ」という情報を紐付けます。
基板作製に必要な最終的なデータは、「ガーバー」と「ドリルリスト」です。
「ガーバー」は基板の外形や配線などを層ごとに分けた、まあ画像ファイル、「ドリルリスト」は、基板に穴やスリットを開ける時に使う指示データです。

最近の電気用のCADは、「電気回路用CAD」「基板用CAD」「ネットリスト管理」「BOM管理」「マクロ管理」 「ガーバ確認」などがパッケージになっており、まとめて導入することが多いです。
数十年前は別パッケージだったりしたらしいのですが、、、まあCADなので、当時はワークステーションなどで動かしていたみたいです。

オイラが使ったことあるパッケージは、富士通の「i-cad」や、図研の「CR-5000」とかなのですが、まあこいつら個人で導入できる規模のCADではありません。
ヘタしたら億かかります。
そんなん無理や!。
なので今回は、GPLで公開されている、「KICAD」というパッケージを使うことにしました。
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一通りツールが揃っており、使い心地がオイラに比較的フィットしたので、コレに決めた!、って感じです。

さて、今回の回路は。
・NchFET制御のアナログスイッチ
・同時にLEDを山程光らせる

という、まあ単純な上にアレな回路です。

ユニバーサル基板で作ったものが、既にあったりします。
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まあでもユニバーサル基板実装では、あまりLEDの密度を稼ぐことができず、また配線が大変なので。
基板起こしちゃえ!、となったりしました。

早速、回路CADで電気回路を書いちゃいます。
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まあ、単純な回路だし、、、10分作業。

次に、ネットリストの作製、部品の属性を関連付けていきます。
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KICADには、標準でマクロが定義されており、またオンラインでユーザーマクロを読み込めるので。
標準的な部品に関しては、マクロが存在する状態です。

んが、今回使うLEDは、秋月電子で特価販売されている、日亜のバックライト用のLED。
こんなもん、標準でもなんでもないので、自分でマクロを作る必要があります。

ほい。
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これがマクロです。
赤いのが銅箔部分、ここにハンダ付けします。
水色がシルク印刷、基板に通常白く印刷される、コメント的なものです。
黄色もシルクなのですが、これは部品情報を表しています。
他、ハンダを印刷するためのスクリーン情報などもホントは入れるのですが、今回は手付けなのでパス!。
黒い部分はレジスト、ハンダが乗らないようにカバーされます。
いわゆる「緑色」の部分。

って上のヤツミスってます。
シルクが銅箔に被っちゃってます。 
つーわけで修正。
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寸法とかほんとはもっと厳密にすべきだし。
本来であれば、銅箔部分は切り込みなど入れて、ハンダ付け時に部品が中央に来るよう、「セルフアライメント調整」などやるのですが。
今回は手付けなので適当です。
ちなみにソニーでは、こいつ1部品作るのに30000円とかします。

ネットリスト作ったら、ERC、エレクトリカルルールチェックで、配線確認を行います。
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繋いでない部品があるか、ショートなどを回路的に発生させてないか、などをチェックします。
高級な回路CADだと、入出力や電流などの回路的なチェックもしてくれるのですが、KICADにはそこまでの機能は無いみたい。

ここまで終わったら、基板CADでお絵かきです。

どーん。
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今回はオモテウラの2層基板で作りました。
また、部品情報、「リファレンス」は全部ナシの漢仕様にしたので。
部品情報は枠外にポイしたあと、非表示設定にしてあります。

この画では、赤いのが表側の銅箔パターン、緑が裏側の銅箔パターンです。
何個か開いてる白い丸が、表と裏のパターンを繋ぐ、「スルーホール」です。

パターン幅は、流す電流によって決めます。
一般的には、「0.1mm」で「100mA」なのですが。
これ守ると電子タバコ的には基板として成立しないので。
 #なんせ20A対応させようとすると、「幅2cm」な配線幅が必要になっちゃう。
これは定常的に電流を流す時の銅箔の発生させる熱から求められる値なので、パルス動作する電子タバコの場合、連続動作させんなよ!、前提で、ほそくしました。

さて基板ですが。

A面はこんな感じに。
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構成要素としては、FET、LED2発、及びスイッチです。
スイッチとして使用するFETがこっち面にあるので、GND側のふっとい配線が走っています。
今回はNchFETを使うので、電池の+はスイッチせずアトマに流れっぱなし、電池の-をスイッチする方式になります。
これを、「ローサイドスイッチ」と言います。

B面はこんな感じ。
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電池とアトマの接続用のパッド、及びLEDの山があります。
LED、実に16発。
もうね、液晶テレビ用のバックライトですかアナタは、状態です。

電池とアトマのパッドに注目。
前述の通り、+はそのまま配線、-を表面にスルーホールで送っている構造であることが分かると思います。

基板外形は、今回「DNA75」に合わせました。
外形は単純に縦横入れただけですが、固定用の穴はDNA75に合わせないと、DNA75用のMODに入りません。
本来であれば、DXFなどで基板情報をCADに流し込むのですが、今回は手抜きで、DNA75の外形図をデータシートから入手し、縮尺揃えてInkspaceで手であわせて行きました。
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サブミリ領域で誤差がある感じですが、まあ基板固定用のスルーホールを0.1mmデカくすることで対応。

配線やスルーホールの大きさなどのルールは、基板屋さんによって変わります。
今回は、「P板ドットコム」へ発注したので、KICAD標準では対応できませんでした。
なので、ルールをカスタムします。
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んで、基板書いたら、次は基板のチェックです。
「DRC」、デザインルールチェックというもので、未接続などはもちろん、「配線幅」や、「配線の重なり」、「配線同士の距離」などをチェックします。
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何故かKICADは、未配線は別タブなので、こっちも確認。
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基板がOKなら、いよいよ「出図」です。
基板作製のための「ガーバデータ」「ドリルリスト」を作製します。
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これも様々な仕様があり、基板屋さんによって要求するデータが変わります。
今回は「P板ドットコム」仕様です。

ドリルリストも出力。
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んで、出したデータに問題が無いか、確認します。
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大丈夫そうなので、データを揃えて。
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製造指示書を書き。
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基板屋さんに発注します。
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KICADには3D表示なんてオサレなのがあります。
今回作る基板は、こんな感じです。
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B面は不穏です。
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で、基板屋さんとやりとり。
ルール違反を直したり、メッキ抜きを忘れてたり、最終的にはシルク無しに変更したりと、やりとりをして。
無事製造工程に入れました。

基板製造中に、実装用の部品を入手します。
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みんなだいすきあきづきでんしで。
今回はSMD実装なので、チップ部品の山になりました。

さて10日ほどたち。

基板屋さんから基板が到着。
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着払いで送られてきました。

基板屋さんとの間には、やりとりが発生するのと、基板屋さん側でのハンドリングのため、担当者がつきます。
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いやあ、電話とかしまくりました。
ご迷惑をおかけしました・・・。

んで基板。
防錆のため、真空パックに入ってきます。
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20枚作ってみました。
今回は実装機に通すわけでもなく、また集合基板も指示しなかったので、額縁のような「捨て基板」部分はありません。
カットとかせずとも、このまま基板として成立しています。

早速パターンチェック。
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剥離などなく良好です。
今回は銅箔に文字を入れましたが、これ最悪溶けちゃうよ!、と脅されてました。
んが、ちゃんと表現されてて、一安心。
金額変わらないので、次回からはシルクで入れよう、そうしよう。

外形はDNA75と揃えたので、まあ大きさ一緒、ステキ。
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さて実装していきましょうか。

今回は最初なので、クリアな筐体を用意してみました。
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本来はDNA75用のシングルMOD用データ、3Dプリンタで出力しています。

フィッティング確認!、おお、イケそうです。
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では実装。
抵抗からぽちぽちしていきます。
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チップ部品は、実装機に対応させるため、「リール」というものに巻かれています。
が、手実装時はまあ、あんま関係無いです。
ぴー、と引き出して、ピンセットでつまんでいく感じ。

抵抗の実装完了。
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ハンダ汚いなあ、、、。
ちなみに機械でハンダするときは、溶けたハンダ槽にジャブ漬けする「DIP」と、ハンダを印刷してオーブンでこんがり焼いてハンダ付けする「リフロー」が代表的です。
別にロボットがハンダゴテ振り回してハンダ付けしてるわけじゃないのですよ、と。
 #一部そんな手法も存在しますが、ね。

LEDの実装。
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LEDは樹脂部品なので、温度厳しいですし、ピンセット的な力加減も難しいです。
慣れるまで数個、砕け散らしました。

まあA面側はサクッと。
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実はスイッチのマクロ、手抜きで適当に指定したのですが、無事なんとかなりました。
FETちょっと曲がってますよね、、、まあ動くからいいや的な。

ここでテスト点灯。

やっばい、眩しい!。
そして基板からの発熱が激し目。
やっぱり連続動作は厳しそうです。

さて、組み込んでいきます。
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まあ配線して。
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今回光モノなので、配線の影が出にくいように、白を選択。
極性分からなくなるので、良い子は真似しないでね!。

で、接続して。
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完成!。
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実は一番苦労したのは、「510スレッドのネジ止めるとこ」だったりします・・・。

定電圧電源に繋いで、動作確認。
 

バッチリです。

まあこんな感じで、 MODを作ってみました。
単純な回路とは言え、初めての基板作製で、ジャンパーやパターンカットすることなく成立できたのは、非常に満足です。
いやあ、結構やるなオイラw。
そして、MOD作りで「基板からやる」、というチャレンジも成功し、もうねなんか満足。
問題はあと19枚あることくらい!。

つーわけで、簡単な顛末記録でした。
意外と簡単そうでしょ!?。
もし機会があったら、是非チャレンジしてみて下さいな。

以上です。