こんにちは。

さて今回は。
良く電子タバコに使われている、「リチウムイオン電池」の。
種類とか特性とかを、まとめ、、、ようと思ったんだけれども。
資料集めていくうちに、「データシートが存在するリチウムイオン電池」という恐ろしい物がボロボロ出てきてしまったので。
規格と共に、まあ軽く読み解いていきたいと思います。

注意!:
 今回使っているデータシートは、あくまでも「一例」であり、更に出処がアレです!。
 更に「単電池としての使用」前提のものではありません!。
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 ・・・ということです。

追記:注意とまとめ
 ・電池交換できるタイプの電子タバコは、電池製造メーカーや、各種規格が「禁止」している使い方をする製品です。
  これは、メカニカルでも、テクニカルでも、変わりません。
  危ないことしている自覚を、忘れないでください!。
 ・良くICRは危険、INRやIMRなら安全、プロテクト付は危険と言いますが。
  これは違います!。
  使用範囲を逸脱すれば、INRやIMRも充分危険です。
  また、本来は「プロテクト付は安全」なのですが、電子タバコとして使えないから敬遠されています。
  漫然と判断することは、事故を招きます!。
 ・電池の放電レートなど、記載事項は、正しいとは限りません。
  偽者や規格外品が混じっている可能性、メーカーが適当に書いている可能性もあります。
  電池の入手は、信頼できるショップさんで、実績のあるものを!。


まあ発端は、電池の種類とか調べようとして。
ぐぐったら、このざまだったこと。
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・・・いやソニーさん、これ流出、あまりよろしくないのでは?、とは思いますが。
まあWebに大公開されているものなので、使っていっちゃいましょう。

さて、、、データシートに、電池の規格に関するヒントが紛れています。
注目点はココ。
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「IEC61960に基づく呼び方」に、「INR」の文字が。
そして、適用安全規格が。
「IEC61960」「UL1642」、怪しいですね。

早速調べてみましょう。
IEC61960は、国際的な電気関係の標準会議「IEC」で定義されている規格です。
どーん。
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ばーん!!!。
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・・・高いよ。

流石に買えないので、UL1642をあたってみます。
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更に、UL1642とIEC61960から派生している、日本のJIS規格があるみたい。
それは主に、以下の2種。

JISC08711と。
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JISC08712。
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各資料をざっと眺めまして、それなりの知見を得たので。
まずそいつらを並べてみます。

まず、電池の種類。
「ICR」だの「IMR」だの。
良く聞きますが、これはIEC→JISに記載が見つかりました。
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例えば、「ICR」の
 I:リチウムイオン
 C:正極に使われている化学系として、コバルトを使用
 R:円筒形

んで、「19/66」は、円筒形の直径が18mmを超えて19mm以下、かつ高さが65mmを超えて66mm以下、てことみたい。
まあつまり18650のことですね。

つまり、上のUS18650VTC6の「INR 19/66」は、読み替えると。
INR18650 (ニッケル) となります。

次にプロテクトとノンプロテクト。
これはUL1642に記載がありました。
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リチウムイオン電池は、ダイオード2個、もしくは抵抗とかヒューズとかで、(充電)電流制限しなさいよ、と書いてあります。
んが、例外2として、爆発の危険がない場合は、省略しても構わない、と書いてあります。

この既定に関連して、いわゆる「ICRの最大電圧」以外は、、、
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製造者から仕様を提示せよ、と書かれています。

この既定はJISでも生きており
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単電池、組電池共に、温度や電圧、電流の制限値を提示せな、ダメ、と書いてあります。

で、この「提示」が、データシートや、仕様書となるのですが。
まあ国内で電子タバコ用として扱われているリチウムイオン単電池には、存在・付属しておりません。
・・・と書こうとしたのですが、あっさりソニーのが見つかっちゃったので。
他のも結構頑張って探したのですが、今出回ってる電池でデータシート見つかったのは、ソニーとサムスンだけでした。
探し方悪いのかな?。

まあ、見つけたソニーとサムスンのデータシートから、ざっくり仕様を読み解いていきます。
今回の着目点は、「放電レート」です。

まずソニー。
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US18650VTC4、US18650VTC5、US18650VTC6のデータシートから、放電レート項目を抜き出してみます。

US18650VTC4:
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US18650VTC5:
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US18650VTC6:
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どの電池も、「30Aまでは連続して使える」と読めます。
ただ、電子タバコでは、連続して使うことはありません。
いわゆる、パルス挙動をします。
30Aを超える領域では、VTC4が全体的に長時間使え、55A領域まではVTC6が、それ以上はVTC5がちょっとだけ優秀という感じ。
また、データシート上の最大電流は、VTC4が150A~、VTC5が~100A、VTC6が~80Aと既定されています。
 *但しVTC5とVTC6は暫定値です、ただ慣例として、暫定値は実際の値より低く見積もられています。
 *じゃないとこのデータシート使って機器設計した後で、データシートアップデートが来ると困った事態になるからです・・・。

まあざっくり、VTC4もVTC5もVTC6も、「30A」までなら、時間気にせず、それなりに使えそうなことが、データシートから読み解けます。
よって、MODでの使用時は・・・。
メカニカルMODの場合、電圧が高い程アトマイザーに電力がかかります。
なので、計算式は「R=Vmax/I」。

シングルMODの場合、アトマイザー抵抗値は「0.14Ω(4.2V時)」以上で使えば良さそうなことが読み解けます。

VWなテクニカルMODでの使用時は、電圧を逆に読む必要があります。
同じ電力を出す時、電圧が低いほど、電流を要求するからです。
また、DDコンバータの変換効率も考慮する必要があります。
安全に使える電力の計算式は、「W=Vmin x I x 効率」となります。

例えばDNA75の場合、セルソフトカットオフは2.75V、効率は85%です。
なので、「W=2.75 x 30 x 0.85」
70.125W ≒ 70Wまで使える、ということになります。

では次にサムスン。

サムスンは、「プロテクト付きICR」も見つかったので。
これも読み砕いてみましょう。
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まず、「INR18650-25R」。
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連続放電は20A。

パルスでの放電レートは・・・
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連続放電を超える使用をする場合は、SDI(サムスン)と協議してね、と書かれています。

INR18650-25R使用時は、最大20Aで見積もればOKだと考えられるので・・・。
メカニカルMOD:0.21Ω以上
DNA75:46.75≒46W以下
での運用なら規格を守れます。

では、次に、「ICR18650-26F」。
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最大放電電流は、5.2Aです。

パルス放電は・・・
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やるな!、と書いてあります。

これをメカニカル、およびテクニカルMODに当てはめると:
メカニカルMOD:0.81Ω以上
DNA75:12.155 ≒ 12W以下
となります。

ですが、、、ICR18650-26Fには、プロテクション機能がついています。
PTC(ポリスイッチ、復帰可能なヒューズと理解下さいな)てのがそれです。
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内蔵されているPTCの、ホールド電流(遮断せず流し続けることができる電流)は、2.9Aと規定されています。

これをMODに適用すると:
メカニカルMOD:1.45Ω以上
DNA75:6.77 ≒ 6W以下
となります。

まあ、こんな感じです。

データシートを眺めることで、「何故ICRが電子タバコで使えないのか?」「何故プロテクション付きが電子タバコで使えないのか」が、見えてきます。
そもそも、、、「ICRは爆発するから危ない!」のではなく、「少なくともICR18650-26Fは、取り出せる最大電流値が低いから使えない」のです。
また、プロテクションが付いていると、PTC素子が更に低い電流領域で作動してしまうことも、分かるかと思います。
プロテクション付きが電子タバコ業界で嫌われるのは、取り出せる電流が更に少ないから、ということ、です。

INRやIMR電池も、無茶をやらかすと、爆発の危険があります。
例えばUS18650VTC4(INR)の発煙動画:


今回データシートベースで並べてみましたが、「放電レート」は、データシートが無いリチウムイオン電池にも、必ず記載されています。
記載されていないリチウムイオン電池は、電子タバコに使うべきではありません。
また、放電レートから使用できる抵抗・電力領域は、以下の式になります。
シングルメカニカルMOD: 最低アトマイザー抵抗値 = 4.2 ÷ 放電レート
テクニカルMOD: 最大電力 = 2.75 x 放電レート x 効率

テクニカルMODの効率に関しては、以下な感じです。
dna60_08
%表記なので、100で割って使って下さいね。
eleaf iPicoなど、ここに載っていないテクニカルMODを使う場合、「80%(0.8)」を適用すると、安全だと思います。

最後にリチウムイオン電池は。
信頼出来る電子タバコ屋さんからの入手を、強くお勧めします。
最初に提示した通り:
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本来製造メーカーが想定していない使い方を、電子タバコでは行っています。
ので、実績ベースで安全を担保するしかありません。
また、リチウムイオン電池は大きさも同一で、ただチューブへの印刷がされているだけの構造。
そして単価も比較的高いので、「ニセモノ」や、「不適合品」が紛れ込みやすいです。
また、輸送規制などもあり、かなり取り扱いに注意が必要な製品です。

現状、通販サイトでは「M5+」参加店や、「VAPECHK」さんなど。
リアル店舗では、Facebookなどでお店の評判を確認してみて下さいな。
ショッピングモール形態である、「Amazon」や「楽天」、「Googleショッピング」 を利用する場合は、扱っている店舗が信頼に足りるか、良く確認した上でご利用下さいな。

以上です。