こんにちは。

さて今回は。
「高出力なテクニカルMOD」と、「リチウムイオン電池」に関する。
ちょっと危ないお話を。

この記事の、続きです。
 リチウムイオン電池の、種類と放電レートによる制限について 

さて。

「高出力なテクニカルMOD」とは。
ぶっちゃけ、こいつらです。
eleaf-istick-pico-75w-desc01
ちっこくて、18650使えて、USB充電にも対応してて、ベントホールもしっかりしてて、そして何より75Wという余裕ある出力!。
オイラも3つ持っている、e-leaf iStick Pico さんとか。
まああとはEVIC VTCとか。

目安として、「40Wを超える出力のシングル18650MOD」です。

こいつらのどこに危なさがあるか。
それは、「高出力時に、リチウムイオン電池に対して要求する、電流の大きさ」です。

計算式は、以下のとおりになります。
電力(W) = 電圧(V) x 電流 (A) x 効率
ひっくり返すと、
電流(A) = 電力(W) ÷ 電圧(V) ÷ 効率
となります。

効率に関しては、オイラが調べた限りは、こんな感じです。
dna60_08
高出力なほど、効率は下がる傾向にあることが分かると思います。
データが公表されていない、iStick pico のような場合は、オイラは「80%」くらいを想定すると良いかと思っています。

さてでは実際に計算してみましょう。

例えば75W時。
3.6Vのリチウムイオン電池に対して。
効率80%で電流を要求する場合。

電流(A) = 電力(W) ÷ 電圧(V) ÷ 効率
なので、
電流(A) = 75 ÷ 3.6 ÷ 0.8
電流(A) = 26

26A、となります。

但し、上記の計算式、電圧(V)で割っているので。
リチウムイオン電池の電圧が下がるほど、要求される電流量は増大します。
例えば、DNA75のカットオフ電圧である、「2.75V」の場合:

電流(A) = 75 ÷ 2.75 ÷ 0.8
電流(A) = 34

34A、となります。

オイラは元電気屋なので、データシートを信頼する前提で書いてしまいますが。
例えばソニーのVTCシリーズの場合、定格30Aではありますが、パルス時は
bat14
放電許容時間が規定されており、パルス時定格は守れそうな感じです。

が、サムスン電池の場合、
bat17
定格を超える放電許容時間は、サムスンと協議してね、と書かれてたりします。

まあでも、海外の電子タバコフォーラムなどを覗いてみると、US18650VTC5は30A放電が「Danger」扱いされてたりするので。
なかなかこのへん、ふわっとした世界かなと。

なので、オイラのお勧めは、「放電レートが20A以上のものは、20Aまで、放電レートが20A以下のものは、その数字まで」が、とりあえず安全に使えるところじゃないかな、と。
 *もちろんオイラの感覚ではあります。

これを、iStick picoの、推定カットオフ電圧に置き換えると:

電力(W) = 電圧(V) x 電流 (A) x 効率

なので、

電力(W) = 2.75 x 20 x 0.8
電力(W) = 44

44W程度までなら、比較的安全に使えそうな感じかなと。
・・・なんかDNA40が「40」な理由が、みえてきそうな感じです。

で、特に注意が必要なところ!。
例えば温度管理。
iStick picoの温度管理は、標準では「75Wで炊く→指定温度になったら電力下げる」的な動きをします。
この「75Wで炊く」部分は、設定にて変更可能ですが、初期値は「75W」です。
75W時は、最大で34Aとか電流を電池に要求するので、結構危ない所。
なのですが、、、特に設定変更を知らずに使ってしまう初心者とか、危ないこと分からず使ってしまうケースがあるかと、、、。

実際、まあ・・・。
歴史的経緯から見ると。
2014年あたりに、30Wとか出せる基板が登場し。
2015年初頭あたりから、上記20Aの限界ぽい、「40W」基板が登場。 
実際にメカニカルMODや、リアルな知見が蓄積され、本来であればメーカー協議が必要な「パルス放電の余裕」のふわっとした限界が見えてきて。
その限界な電流量に挑戦してるのが、今出ている「75W対応MOD/基板」なのかなと。
実際に75Wで引っ張って、ある程度の安全性に対する実績があるからこそ、各社75W対応MODを出しているのだとは推測出来ますが、リチウムイオン電池の定格的な安全性を逸脱している行為であることには、変わりがありません。

個人的には、目安として、18650シングルなテクニカルMODは、いわゆるハイレートな電子タバコ対応電池を使用する場合でも、「40W以下」での運用をお勧めします。
また、温度管理時でも、「最大40W以下」になるように、設定を組むのが、安全なのかなと。
もちろん、使用する電池は、「最低20A、出来ればそれ以上」のもので。
どのみち75Wなどの高電力運用は、電池にかなり負担を掛けます。
特にお店で初心者向けに売る場合、このへん念を押さないと危ない気もしています。
セットとして売る場合、セット電池の定格にも気を配る必要があるかと。

以上、ちょっとだいぶアレな、テクニカルMODと電池に関する、追記なお話でした。