こんにちは。

さて今回は。
ひっじょーーーーーーーーに気が乗らないのですが。
Vo Chipの基板評価をするにあたり。
YiHi SX350Jの基板設計的な問題点を、書いておかないと。
多分こんがらがっちゃうと思うので。
先にそっち、書いておきます。

SX350J基板とは、YiHi社の、コイツね。
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注意:
 *あくまでも、オイラの私見です!。
 *そしてオイラはSX350j基板を持っていないので、あくまでWeb情報からの引用となります、ご了承下さい。 
 *SX350j基板を持ってもいないのに、使ってもいないのに、こんなん書くとは何事だ!、てのを。
  ちょっと我慢して見ていただくか、もう見ずにスルー頂けると、大変助かります。
 
さてキッカケは。
とある方のSX350j搭載MODが、なんか発煙しまして。
で、基板見たら、、、。
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てなとこから、Twitter上でディスカッションが発生した、そんな経緯です。

まず、 何が問題なのか、解説していきます。

これが、SX350j基板の、DDC構成部です。
暫定的に「B面」としておきます。
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SX350J基板は、DNAなどの基板と異なり、アトマや電池に接続するためのケーブルが、最初からくっついています。
この写真の、赤白黒の線ですね。

まずオイラが「大問題」だと指摘したのは、以下の部分です。
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出てる3本の線のウチ、少なくとも「赤」「白」の線が、表面実装された部品の、ハンダ接続部から、直接出ています。
具体的には・・・
赤:右側の黒いIC(多分FET) の右側から
白:左のコンデンサから

これ、自動実装を含めた、量産工程での基板設計では、「絶対に避けなければいけない」 事象です。
表面実装部品は、 後述する工程で部品を実装しますが、まあ、「はんだこて」は使いません。
はんだこてによる実装と異なり、部品の下面にもキッチリハンダが乗るのですが、反面、使用するハンダが少なく、また密度も高いです。
これは往々にしてメリットなのですが、ここに後からはんだこてで部品を追加する場合、大問題です。
使用するハンダが少ないため、別の部品を後からはんだこてで追加した場合、表面張力でハンダが持ってかれちゃって、せっかく回ってた「下面にもキッチリハンダ」が、吸い上げられて不良を起こす可能性があります。

また、表面実装部品は、強度をこの「下面にもキッチリハンダ」で確保していること、また、そもそも基板に部品の足を貫通させず、表面の銅箔のみで部品を保持することから、構造的にそんな強くありません。

なので、表面実装された部品に、他の部品をつける際は、細心の注意が必要なのです。

ほんとどうしようもないとき、例えばパターンミスをしてハーネスを出したりすることがありますが。
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この際は、必要最低限の太さのハーネスを使い、なるべく部品や基板パターンに影響を与えないように、細心の注意を払って接続します。
上記例は試作基板(つーかソニーのスーファミ版プレステという非常に危ないヤツ)なのですが、量産基板でやらかすときは、更に「ボンディング」という、ハーネスを基板にボンドで固定したり、シールでハーネスを動かないように固定するのが、一般的です。

なので、SX350Jの、「表面実装部品に直接、外部接続用の、いかにもテンションがかかる、ぶっといワイヤーを接続する」やり口は、オイラは「大問題」だと思うのです。

んでもひとつ。

SX350JのB面には、目立つ部品が2つあります。
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・右上の銀色の円筒形状の物体 
・中央にあるなんか黒いのにコイルがぐるぐるってる物体

銀色の円筒形のは、「コンデンサ」、コイルぐるぐるのは、そのまんま「コイル」です。
この2つの部品は、「表面実装部品」ではなく、「DIP部品」、つまり本来は、基板を貫通させて、基板裏面からハンダ付けして固定する部品です。
が、、、こいつら、無理やり基板にはんだごて実装しております。
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このコト自体はまあ、、、あまりよかないのですが、、、。

致命的なのは、コンデンサ!。
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上でも書きましたが、「黒いICの足」から、直接はんだこて実装をしてしまっています。
「黒いICの足」は、「IC自体」「赤いハーネス」「コンデンサ」の3つの部品が集中しており、部品やパターンにかなり負担がかかってるんじゃないかなーーーーー、と思います。
更にはんだこて作業で2つの部品を追加マウントしているため、ハンダ工程自体に無理があり、かなりハンダをモリモリにしてるのが分かります。
もうね、、、ICの右隣にある部品(多分ダイオード)にかぶってるんじゃないかって勢いで。
これなんつーか、大変ゾワゾワします。

コイルの方は、画像を見る限り、変なことはしてないように見えますが、これはこれで問題を抱えています。
実は「コイル」は、出力可変なMOD基板を作るにあたり、必須な部品です。
コンデンサとコイルの共振を使って、電圧を上げ下げさせるのが一般的なので。

ただこのコイル、DIP品は、エナメル線がそのまま出ています。
エナメル線はちょっと引っ掻いただけで、銅線部を露出させてしまうリスクがあります。
で、コイルは電圧上下に使う部分なので、電圧・電流がそのまま掛かっています。
なので、裸の状態で攻め込みがちな大きさに押し込む的なMOD基板に、DIPコイルを採用するの、オイラは非常に怖いなと。

実際事故が多発したらしく、SX350J-v2では、コイルの一部に保護シリコンが掛けてありますが。
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それでもやっぱ危ないと思います。

で、コイルは。
もちろんDNAとかにも載っています、SX350JとDNAを並べてみますか。
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DNAの「なんか真四角の、グレーの、でっかい部品」が、コイルです。

これは表面実装型インダクタと呼ばれるもので、構造は以下な感じです。
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下の「ドラムコア型」が、DNAに採用されているコイルです。
SX350Jのコイルと同様、ぐるぐるまきにされた電線の真ん中をコアが通ってる構造になっているのが、分かると思います。

ちなみに「コンデンサ」も、DNAでは表面実装型に統一しています。
但し表面実装型コンデンサは容量を稼ぐのが難しいので、複数個使いで凌いでいます。
上記画像だと、基板右側のオレンジっぽい色の部品です。
 *オレンジ色ですが、タンタルではありません、積セラです(そっち系の方用補足)

では何故SX350Jは、全てを表面実装部品で構成せず、はんだづけが必要なDIP部品を使っているのか。
この辺ちょっと詳しく推察してみます。

そもそも「表面実装」と「DIP」は、はんだづけの工程が異なります。
実装ラインでは、「表面実装」は「リフロー」という方式、「DIP」は「フロー」という方式で、はんだづけを行います。
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まあ、表面実装品は、オーブンで焼いてはんだを溶かすイメージ、DIP品は、溶けたはんだにジャブっと基板を付けるイメージです。

んで、実装ライン。
おおまかに言って、実装ラインは以下のような並びで構成されています。
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表面実装品を部品実装する「マウント」工程には、実装機というものが使われます。
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実際の動作は、こんな感じ。

オイラが現役だったころよー使われてた、ロータリー方式の実装機の例:
 
マシンガンのようにガタガタいっておりますが、この「ガタ」一回で、一つの部品を実装しています。

ただこの機械、でっかいICや、それこそDNAで使われているような「でっかいコイル」の実装は出来ません。

そんな場面で使われるのが、モジュール式の汎用実装機。
こんなんね。
 
ロータリー式の実装機に比べると、いろんな大きさの部品に対応できるのですが、速度自体は遅いです。

もちろん混載可能な実装機も開発されとりますがまあ、それなりに高かったりします。
 

なので一般的には、細かい部品を実装する「高速実装機」と、でっかい部品を実装する「汎用・多機能実装機」の2台を使い、部品を実装していきます。
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オイラが知る一般的な実装工程を、俯瞰した動画がこちらです。


なんですが、、、ぶっちゃけ。
SX350Jを実装している実装屋さん、「ちょっと大きい部品まで使える高速実装機」だけで実装してるんじゃないかな?と思っています。
なので、非常に大きい「コイル」を実装できないのではないかと。
他の可能性として、表面実装品のコイルは、比較的高価です。
なので、安いDIP品を使っているのかな?とか。

実は日本で実装や製造設計を行う場合、なるべく機械実装にするように組んでいきます。
はんだづけの信頼性確保も重要ですが、何よりも「人件費」がヤバいからです。

しかし中国の人件費は、かなり格安なので。
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汎用・多機能実装機を使ったり、高価な表面実装部品を使うより、工員さんに手付けはんだやらせるほうが安く仕上がったりする例が、ままあります。
オイラも、とある製品設計で、中国生産時、「コネクタ実装するよりはんだのほうが安い」から、はんだづけ工程を導入したことがあります。

まあ、そもそも・・・。
SX350J基板は、基板シルクにもある通り、「SXMini」というMOD用の基板です。
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どーやらMODを製造している工場と、基板を実装している工場が違うらしく。
その中間部品として、「SX350J」基板が存在しています。
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*同じ工場内でMOD組み立てまで行う場合、このような包装はせず、基板をキャリアのまま運ぶのが一般的なので、違う工場で輸送しているのではないかな、と踏んでいます。

なのでそもそも、SX350J基板は、SXMini用にカスタマイズされとります。
基板をよく見ると、ボンドで補強されてたりしますが。
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*ワイヤー根元やコンデンサーなどに見える、「黒い物体」ね。
これ、SXMiniでの実装を前提に、単方向からのテンションに対応するように、盛られているように見えます。

SXMiniと同じ配線とりまわしや、筐体構造での条件下で、品質を担保できるように作られてる基板な印象があります。
これを他の構造のMODに入れた場合、オイラは非常に危なく感じるのです。

まあ、SX350Jの基板設計的な問題点は、こんな感じです。
オイラは数年前にこの業界から離れてるので、最新の状況は分かりませんが。
それでも、この基板設計が許容できるまで何かが進化しているとは、ちょっと思えません。

もちろん、今SX350J基板搭載のMODをお使いの方で、それが正常に動いている場合は、そのまま使っていただいて構わないと思います。
但し、例えば電池んとことかから基板の「裏」が見える構造のMODだったりする場合、くれぐれも「コイル」部分を傷つけないよう、注意して使用して下さいな。
また、ワイヤー取れるなどのトラブルが発生した基板を、安易に修理して使用するのは、ちょっと危険です。
部品や銅箔パターンに、ダメージがいっている可能性があるからです。
修理する際は、くれぐれも確認の上、行ってみて下さいな。
MODDERさんが、SX350J基板を使う場合、ユーザーに基板の部品面を触らせないようにすること、ハーネスにテンションをかけず、「出ている方向」を曲げるような設計を避けること、 組み込み時や運用時に特にコイルとハーネスハンダ部を傷つけたり、テンションを掛けたりする設計を避けることが必要だと思います。
ちなみにSX350J-v2基板も、SX350J基板と状況は変わりません。 

ごめん、なんか脅しみたいな記事になっちゃいましたが。
問題点を解説せず、ただ「この基板なってない!」とか書けないので・・・。

以上です。