こんにちは。

さて今回は。
電子タバコでは、かなり一般的な。
「交換式のリチウムイオン単電池を用いるMOD」が。
「PSE準拠な構成」 が、取れるか。
考えてみたいと思います。

*ご注意:
 現在のところ、「リチウムイオン単電池」も、「電子タバコ用機材」も、PSE(電気用品安全法)の規制対象外です。
 なので、少なくとも日本では、現状、双方の流通や販売に、電気的な規制はありません。
 (リサイクル的なお話、輸送規制的なお話は、あります)
 なので、ここに書かれる内容は、あくまで参考情報です。

さて、リチウムイオン電池の扱いについて、PSE的には、JISに倣えと書いてあります。
このへんは、昔Blogに書きました。
 → リチウムイオン電池の、危ないお話

また、リチウムイオン組電池に何が必要なのかも、Blogに書いています。
 → テクニカルMOD基板のバッテリー回りの構造と、安全性担保の例

まあ、かいつまみますと。
リチウムイオン電池には、以下な感じの安全担保が必要、と。
batsafe1

つまり・・・
保護回路として
・過充電保護
・過放電保護
・過電流保護(充電/放電)
・セル表面温度保護
の4つを求められています。

んで、ブロック的には、こんな感じと。
batsafe3

で、この中で、現状のMODに対して、何が足りないのかな?というお話。

先日のVo Chip解析話で、MODのブロック図を書き出してみたりしました。
block1

これをベースに、お話を進めていきたいと思います。

まず、過充電保護。
これは、VO Chipの場合、「TP4055」という、Li-ion充電ICが担当しています。
中国語なので、アレですが。
batcharge1

4.2Vで充電終了、と。
一応データシート上は、4.242Vが最大値のようです。
このICで、VO Chipは、「過充電保護」を担保しています。

次に、過放電保護。
これは、2つのブロックで実現しています。
block1
ブロック図、「CPU」より上側は、制御ブロック。
DDCとLDOの組み合わせで、制御用の電圧を作り出していますが。
電圧が過度に下がった場合、右上の「Master SW」を切ることで。
この各ブロックへの電圧供給を、停止します。

ブロック図、「CPU」より下側が、メインDDCブロック。
「Fire時の電圧」を作り出すところです。
ここは、明示的にCPUが動作指示を出さない限り、動作しません。
なので、非動作時は、電流を消費しません。
ブロック図には記載しておりませんが、下側メインDDCブロックの制御用IC「3110A」も。
電源は、制御ブロックから貰っていると推察しています。

VO Chipの場合、制御ブロックは2.8V近辺まで動作しますが。
メインDDCブロックは、電池電圧が3.3Vを割ると、動作しません。
t_lowbat

これが、「過放電保護」になります。

次に、過電流保護。
放電方向は、放電時の電圧監視により、実現しております。
放電時に一定電圧を割った場合、チップは「CHECK BATTERY」動作をします。
s_checkbat
これは、電池の内部抵抗により、取り出せる電流が減ったサイン。

もちろん本来は、設定された電流以下になるよう、メインDDCブロックの動作を制限するのが理想なのですが。
その設定が出来るMODは、 DNA以外では、見たことがありません。

eScribeで接続可能なDNA基板は、「最大電流値」を、MODにプログラム可能です。
batchrage2
「MAX Peak Input Current」、及び、「Mac Sustained Input Current」の値に、お使いの電池のパルス/連続放電レートを入れれば、MODの電流動作の制限が可能です。

充電方向は、リチウムイオン充電IC任せです。

TP4055は、定電流充電時の充電レートをプログラム可能ですが。
最大でも、520mAに制限されています。
batcharge3

最後が、「温度検知」。

実は、、、オイラが知っている限り、電池交換式のMODや基板で、バッテリーの温度検知に対応しているものは、見たことがありません。

なんでかな?。
理由は・・・。

一般的なリチウムイオン組電池の温度センサーの実装を見てみると、大体答えが見えてきます。
温度検知は、バッテリー表面温度を測ればOKなのですが。
やりくちとして、
・サーミスタなどをバッテリー表面に貼り付けて、温度測定する
・赤外線センサなどを使い、間接的に温度測定する

などのやり方、があるかな、と。

リチウムイオン組電池の場合、前者を採用しています。
blog7

基板から出ている黄色いヤツがテープではって有るのが、ソレです。

これでも、欠点というか制限があります。
それは「電池に接触させなければならない」ことです。

自作パソコンなどで、CPUとヒートシンクを実装する時、グリスを塗るかと思いますが。
batcharge4

これは、CPUとヒートシンクの間の「空気」を追い出し、CPUとヒートシンク間の熱接続を、確実にするために行います。
そう、、、「空気」は、熱を遮断してしまうのです。

なので、電池表面の温度を直接サーミスタで測る場合、サーミスタと電池を接触させる必要があります。
リチウムイオン組電池の場合、テープで接触させていますが。
blog7

交換前提の構造のMODを作ろうとする場合、これが課題です。

まだ、「電池を横から入れる構造のMOD」の場合は、やりようがありそうですが。
13833595_1971199619773175_1250730148_o

iStick Picoのような、「電池を差し込むタイプ」のMODの場合。
eleaf-istick-pico-75w-desc01

実現は困難な気がしています。

もちろん、サーミスタを電池ボックス内部に出して、電池へ摺動させて接触させる構造でもいいのですが。
電池皮膜、サーミスタ共に、そんなに強い部品ではないため、問題が発生しそうです。

では、非接触ならどうか?。

赤外線センサーを使用することで、非接触でも、電池表面の温度を測ることができます。
まあ、高級な例だと、サーモグラフィーですね。
th_01

部品単体だと、こんな感じです。
batcharge5

 参考:https://strawberry-linux.com/catalog/items?code=18120

ただまあこれ、どんなに安くても数百円以上するのと、電池ボックスに穴をあけ、センサーを電池に露出させる必要があります。
んで結構でかい。

まあ実装しても、なんかモッダーさんに嫌がられそうな感じです。

さて、必要なブロックと、MODのブロック図に戻ってみますと。
batsafe3

block1
「温度検知」以外は、MODにある機能だけで実現できている、そんな気がしています。

ブロック図には記載しておりませんが、実はMODは、基板温度も監視しています。
メインDDCブロックは、効率由来で発熱するので、発熱量を監視する必要があるからです。
なので、、、もう1系統、温度管理を出して、バッテリーの温度を監視するようにすれば、一応組電池に求められる、安全対策的な規制をクリアすることができます。
 *もちろん、「ユーザーが容易にショートさせない構造」あたりの規制は、守れませんが・・・。
まあでも現在のところ、温度に関しては課題があるために、まあほぼどのMOD/基板も実装していないのかな、とか考えております。

ひょっとしたら、規制後の将来は、MODの設定画面で、
・最大/最低電池温度設定
・連続/パルス放電レート設定
を入れる日が、来るのかも知れません。

将来的に、リチウムイオン単電池に対する使用規制が、PSEなどの網にかかった場合に、どんなもんが必要か、そんなお話でした。

以上です。