こんにちは。

年末から開始したこのブログ、なんか毛色がヘンで悩んだりもしてますが。
なんとか今年は越せそうです。
とりあえず、今年最後の記事を。

今回は、電子タバコと規制のお話。
但し、よく騒がれる、ニコ入りがどうのこうのだの、路上喫煙防止がどうのこうのではありません。
もっとこう、電気業界のアウトライン的な・・・。

さて。

今時の電気製品は、規制で雁字搦めになっております。
規制とは、各国が定めた基準に則って製品が作られてるか、それを守らないと製品販売出来ないし、やらかしたら回収ですよ、ってやつです。
ここで問題なのが、「各国」ってあたり。

例えば、VAIOを見てみましょう。
Dsc02109
下が本体、上がACアダプタです。
マークやロゴに注目してみてください。
なんか本体はすっきりしてるのに、ACアダプタは酷いことになってますよね?。
これ、本体の機銘板は各国で貼り直しているのに対し、ACアダプタは世界共通だからです。
また、ACアダプタは、各国のAC電源にぶっさすもの、VAIO本体はACアダプタから電力供給を受けるものなので、規制内容が違います。
切り離されているのですね。

さて。

規制ですが、いくつか種類があります。

1.機材の放射/感受に関するもの
 ・機材からヘンな電波出していないか?
 ・機材にヘンな電波や信号与えてもちゃんと動くか?
 ・機材に静電気やらかしてもちゃんと動くか?
2.機材の安全性に関するもの
 ・機材に誘導雷など、AC電源に載ってくる異常なものが来ても燃えないか?
 ・機材をヘンな使い方しても、爆発とかしないか?
3.機材が出している電波に関するもの
 ・指定された電波を指定された強度で出しているか?
 ・ヘンな電波とか出していないか?
4.機材の物性に関するもの
 ・機材に、環境に悪影響を与える物質を使っていないか?

・・・などなど。

まず、「1.機材の放射/感受に関するもの」「2.機材の安全性に関するもの」から。
日本で有名な規格として、「VCCI」「PSE」があります。

まず、VCCI。
これは、実は「1.機材の放射/感受に関するもの」で、「電機業界の自主規制」です。
VCCI協会というところが管轄しています。
マークはこんな感じ。
ki03
まあ、適当な電気製品ひっくり返すと、結構みかけるマークだと思います。
規制内容は、放射電波的なものです。

そして次に、「2.機材の安全性に関するもの」、「PSE」です。
これは法的なものです。
電気用品安全法というもので、規制されています。
ちょっと前に、「PSEマークが無いものは中古品でも売っちゃダメ」的な騒ぎを起こした、アイツです。
自主規制ではないので、法的な拘束力があるのです。

それぞれのカテゴリは、以下な感じで分かれています。
ki01
ki04
実は、この中にも細かくカテゴリに分かれており、「製品がどのカテゴリの属して、どんな規制をクリアすべきか」っての、特に新規製品の場合、頭が痛い問題です。
大手企業では、専門に扱う部署が複数あったりします。
過去オイラが関わったプロダクトでも、ベースは「テレビ」で、開発途中まで「チューナー」内蔵してて、結局ビデオとテレビの間に挟む的なものになったのがあるのですが、カテゴリどうするかで紛糾しましたw。

ちなみに、「どうみても電気製品」なのに、VCCI規制対象外のものがあります。
例えば楽器。
手持ちのV-Synth XTには、VCCIマークありません、中身SH-4のバリバリな電子機器なのに。
Dsc02112

でももちろん、ACアダプタはPSEの範疇なので、ちゃんとマークがあります。
SYSTEM-1のACアダプタ:
Dsc02110

そして、この規制は各国違います。
例えば米国はFCCが両方とも管轄しています。
また、国際的に、「どっかが規制を打ち出したらウチも真似してやらかそう」的な動きをしているため、各国の規制は似たり寄ったり、だが細かく異なり互いに包括関係にはありません。
なので、各国の認証マークを、ごてごてと飾ることになるのです。
ki02

上の楽器の例でも、VCCIは無いけど、「CE」、「なんだっけこれチェックマーク」、及び文面での「FCC」が書いてあります。

他にも、「この電気製品はウチが確認したので大丈夫ですよ」マークもあります。
有名なのはJETマーク。
ki09

これは、電気用品安全法+αの認証を、第三者機関である「電気安全環境研究所」が認証しましたよ、というマークです。
同じJETでも、日本電子タバコ協会ではありません。
他に有名なのに、「TUV」があります。

で、この規制たちですが。
現在のところ、ACアダプタや充電器等を除き、電子タバコデバイスには適用されていないと思います。
が、そのうち規制の波が来るんじゃないかな、と思ってます。
主に、日本や海外の大手電機メーカーが参入するタイミングで、ね。
なので今は気にする必要は無いかもですが、特に販社や製造メーカーは、気にしたほうがいいかもしれません。

さて。
次に、「3.機材が出している電波に関するもの」です。
これは電波を発射する製品、携帯だのBTリモコンだのに対する規制です。
日本の場合、電波モノは郵政省管轄になるので、規制が違います。

まあ、コレですね。
ki05

電波は国民の共有財産、てことになってる、つまり利権構造の塊なため、かなり規制が厳しいです。
規制に合致しない製品を使ったりすると、「電波法」でしょっぴかれますよん。

これも、米国ではFCC管轄だったりします。
例えばWiiリモコン。
Dsc02113
郵便マークと、FCC IDが書かれてますね。
まあこれは現状電子タバコあんま関係ないです、一部BT搭載MODとかで話題になるくらい。

んじゃ次!。
「4.機材の物性に関するもの」。
有名どころだと、「RoHS」です。
ki06
これねえ、内容は分かるのですが、決まったロゴが無い?状況です。
鉛や六価クロム、水銀、カドニウムなど、環境に悪い物質を使うなよ、って規制です。
まあ水俣病やイタイイタイ病などの、あいつです。
電気製品的に厳しいのは、「鉛」。
いわゆる「半田」は、鉛と錫の合金です。
なので、金だの混ぜて鉛を排除した「無鉛はんだ」なるものを使わないと、RoHS規制はクリアできないのです。
が、、、鉛は物性的には優秀です。
無鉛はんだは溶ける温度が高い、粘性がある、結晶が押し出されるように成長する「ウィスカ問題」が起こりやすい、などと結構センシティヴです。
まあ苦労しとるところですね。

ちなみにRoHS規制は、プレステから始まりました。
その昔、プレステのゲームパッドのコードの赤色かな?を分析したところ、「カドニウム」が出ちゃったのが大きな引き金だという説があります。

なので、日本ではソニーが、「SS-259」という指針を出しています。
ki07

 これまた大変で、分析結果とか山ほど出さんと部品採用してもらえないという・・・。

 もちろん電池とかにも、RoHS規制は適用されます。
Dsc02111
上がAW、下がeFest、しっかりRoHSって書いてあるでしょう。
ちなみにCEマークは、前の記事をご参照のこと。
販社さんは、このCEとRoHSについて、電池メーカーに確認して書面出してもらえば、その電池は正規品である限り「安全」ということができる、と思います。

オマケ。
基板にも結構情報載っています、規制も含めてね。
これはソニーのPSPのメイン基板です。
ki08

「TA-079」は基板名称。
「1-864-275-11」は基板の部品番号、これ改版してないね。
右上のURひっくり返したのがULマーク。
右の「マル1」は集合基板の1番目。
左上のレーザー刻印「4FM4009680」は基板メーカーの識別用のID。
左の「マルA」はこの基板のA面側(表)。
左下の「>EP GW<」は基板の材質、これはガラスエポキシ基板。
その下のマークは「ハロゲンフリー」と「レッドフリー(無鉛)」表示です。

まあ、オイラはQAな部署にいたわけではないので、結構適当です。
ほんとはもっと深い世界だと思います、が、さすがに理解が追い付いてません。
なのでアウトラインで許して下さいな。

それでは皆様、今年一年ありがとうございました。
よいおとしを。