こんにちは。

さて今回は。
たまにBOX MODなんかで使われてる。
「FET」につきまして。
かなり偏った感じに、書いていきたいと思います。

FETとは・・・
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まあ、こんなんね。

さて。
BOX MODでは、まあこんな形の部品が、使われてるのを見たことがあるかも知れません。
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こいつが、「FET」、役割は、電子タバコ的には、「大電流のスイッチ」です。
FET自体にも種類が色々ありますが、今回は、いわゆる「パワーMOSFET」のうち、大電流/低スレッショルド電圧のものについて書いていきます!。

実は電力管理などのテクニカルMODにも載っかっているのですが、こっちもまあ、単体では「大電流のスイッチ」を行わせています。
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例えばVO Chipの場合、上の「紫」「緑」のブロックに、各2コづつある、正方形っぽい黒いのが、FETです。

FETそのものに関しましては、昔記事を書きましたので、そちらを参照してみて下さいな
 記事:FET搭載のMODってどうだろう

今回は、「FET搭載のMODを作るために必要な知見」を、ざっくりとまとめていこうかと。

さて。

FETには、構造の違いによって、2種類があります。
「N-ch」と、「P-ch」です。

外見的には同じ3ピンですが、回路シンボルで表すと・・・
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てな感じで、「矢印の方向」が違います。
これは、構造の違いによる、スイッチする電流方向の違いを表しています。
ちなみに回路図の「D G S」は。
それぞれ
 D : ドレイン (吸い込み、つまり引き込み側)
 G : ゲート (門、つまりスイッチ用の信号入力)
 S : ソース (源流、つまりまあ電池の+だの-だの)
 で、FETは、ざっくり言うと「ゲートで、ソースからの電気をドレインに出したり、ひっこめたりを制御する」素子です。

まあ、応用例で見てみますと、

N-chの場合:
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・Gに電圧がかかると、OUTがONになる
 =Gに電圧がかからないと、OUTがOFFになる
 *上の図だとわかりづらいですが、OUTのとこの電圧は、FETがOFFだと「HIGH」に張り付き、RLに電流が流れないのです
・OUTの位置が、FETより上にある
 =繋ぎが、「バッテリー+(Vcc) - アトマイザ(RL) - FET - GND(なんか地面ぽいシンボル)」になっている

P-chの場合: 
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・Gに電圧がかかると、OUTがOFFになる
 =Gに電圧がかからないと、OUTがONになる
・OUTの位置が、FETより下にある
 =繋ぎが、「バッテリー+(Vcc) - FET - アトマイザ(RL) - GND(なんか地面ぽいシンボル)」になっている

てな感じになります。

N-chとP-chの違いは、、、
・Gへの電圧の掛け方と、出力が反転する
・FETの挿入位置が違う

てことになります。

では、何故、「FETの挿入位置が違う」のか。
これ、事故の元になるので、ちょっと書き下していきます。

上に出したFETの回路シンボル、もちっと親切?なシンボルだと、以下な感じになります。
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なんか、「D」と「S」の間に、記号が追加されています。
これは、FETの内部に構成されてる、「ダイオード」を表しています。
今回扱う「パワーMOSFET」には、この「ダイオード」が、必ずいます。

ではダイオードとは?。
こんなんです。
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アノードからカソードには電流を流すけど、カソードからアノードへは電流を通さない、そんな一方通行の素子です。

改めてFETの回路シンボルを見てみますと
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この回路シンボル、いくつか回路シンボルの外側に矢印がありますが。
このうち「ID」が、スイッチする電流が流れる方向になります。
Gに電圧が掛かったり、GがGNDに落ちたりすると、IDに電流が流れますよ、てことを表しています。
が、、、よく見ると、IDの矢印と、内部の「ダイオード」の矢印が、反転しています。
なので、「逆差しすると電流流れっぱなしになる!」、これを覚えておいて下さい。

また、GとSの間の矢印、これはFETがスイッチとして機能するための「電位差」を表しています。
Nchの場合、GよりSのほうが電圧高くないと、もしくは同じ電圧じゃないと、Pchの場合逆で、GよりSのほうが電圧低くないと、もしくは同じ電圧じゃないと、電流を流してしまいます。
なので、N-chの場合はSをマイナスに直結、P-chの場合はSをプラスに直結が必要になります。

つーわけで、まあ繋ぎはこうなるわけです
N-ch : バッテリ+ - アトマイザ - FET - バッテリ- 
 *この繋ぎを、スイッチ、つまりFETが、負荷、つまりアトマイザの下にいるので、「ローサイドスイッチ」といいます。
P-ch : バッテリ+ - FET - アトマイザ - バッテリ-
 *この繋ぎを、スイッチ、つまりFETが、負荷、つまりアトマイザの上にいるので、「ハイサイドスイッチ」といいます。

例えば、「シャーシ全体がGNDに落ちているBOXMOD」の場合、N-chだと、510ネガティブの部分を浮かせないとマズいのは、こんなワケです。
P-chを使う場合は、アトマイザとバッテリ-が直結できるので、510ネガティブをGNDに直結出来ます。
考え方を変えると、N-chを使う場合は、「シャーシ全体がバッテリ+になってるBOXMOD」の場合、510ネガティブ(掛かる電圧は+)を、シャーシに直結させることができます。

まあ、単純に+を切ることが出来ない、「N-ch FET」ですが。
特性がいいので、良く使われています。

例えば、電子タバコで良く使われるFET、「IRLB3034PbF」は。
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データシート上、こんな感じ。
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FETをスイッチとして動かす場合、「ON時のFET内の抵抗」 が気になる項目ですが。
データシート上、「RDS(ON)」がそれに当たります。
IRLB3034PBFの場合、最大「2.0mΩ」です。

比較的近しいシリーズの、P-ch FET 「IRF9204PbF」と比較してみましょう。
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こいつね。

データシートはこんな感じ。
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RDS(ON)は、最大「23mΩ」、桁が1つ上がっちゃってます。

これは、定格にも影響を与えており、
N-ch FET  : IRLB3024PbF : 40V 195A
P-ch FET : IRF9204PbF : 40V 74A

と、扱える電流に差がでます。
まあでも、電子タバコ的には、そもそも70Aも流さないので、どっちも使えます。
 *3.6V時、70A流そうとすると、0.05Ω以下の抵抗値なビルドになります
 *この場合、252W、アトマに電力がかかります
ただし、3並列のMOD等、 危ないの作る時は、このへん考慮が必要です。

では、「FETを並列にして流せる電流を稼ぐ!」ことができるか?。
これは、非常に危ないので絶対に止めて下さい!。
上記データシートの通り、FET ON時の内部抵抗には差があります。
この個体差により、並列にFETを使った場合、内部抵抗の低い方にガツンと電流が流れたりします。
まあFETが焼けますし、FET素子の破裂や、最悪ショートして燃えたりしますよ!。

次に、Gに掛ける電圧と電流。
これは、バッテリ+やGNDに対して、比較的大きい抵抗を介して接続することで、「スイッチOFF時のG電圧を、FETがOFF方向にもってく」のですが。
 *これを、「プルアップ抵抗」「プルダウン抵抗」といいます。
この抵抗値をどうするか?なお話です。
これはまあ、上記データシート「Gate to Source Leakage」を参照すれば算出できます。
今回提示した2品では、両方とも最高「100nA」。
んで、スレッショルド電圧は、IRLB3034PbFが最大2.5V、IRF9204PbFが最大3.0V、まあ3Vとしますか。
比較的ギリまで電池電圧使いたいので、3.05Vの電池電圧でも動かしたいとすると。
R=V・I なので、3.05/100n、3MΩ以下の抵抗を介して接続すれば、まあG制御は出来ますが。
これだと応答性が悪くなりすぎるので、一般的には電子タバコに「IRLB3034PbF」を使う場合は、「15KΩ」という値が使われています。
ただ、ざっくりした値なので、例えばE3系列で統一したければ、「10KΩ」「22KΩ」を使うのもアリだと思います。

次に、パッケージ。
パッケージとは、ICとかの「外観」のことです。
これは、いくつか規格があるのですが。
まあよー使われるのは、「TO-220」というパッケージです。
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TO-220の場合、下に3本GDSと出ていますが、FETの裏面、及び上部が、「放熱」の役割を果たす感じになっています。
FET上部の「穴」は、熱を逃がす為に、ヒートシンクや、ケースに固定する役割のものです。
但し!、FETの裏面、上部は金属ですが、ここ、内部的には「D」に繋がっています。
Dは、FETの「電気をスイッチする側」です。
なので、シャーシをソースと共有する形態にする場合は、ここきちんと絶縁が必要です!。

小型化を狙うのであれば、表面実装型のFET、という選択肢もあります。
例えば、「SO-8」という、8ピンのFETなどが一般的です。
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こいつ8ピンありますが、実は「電流を稼ぐため」に、Dに4ピン、Sが3ピン使ってたりします。
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HIKARUMODでも使いましたが、、、
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 *真ん中の四角いのがFETです

FET部の回路は、こんな感じに繋がっています。
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 *本来であれば、下面にDが伸びていて、放熱用に接続が必要なのですが、HIKARUMODではパルス駆動なので、さっくり無視しています、だって手付けじゃはんだ付け難しいし。

さて最後に。
FETを使ったBOXMODの例を、2つほど。

一つは、良く出回ってる、N-ch FETを使うこいつ。
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シャーシがGNDに落ちている構造のMODに応用する場合は、P-ch FETを使う必要があります。
書き直してみると、こんな感じになります。
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 *但し、ここで提示している「IRF9204PbF」は、定格74Aなので、この構成だと、最低対応抵抗値「0.05Ω以上」になります。

また、N-ch FETのまま、ケースを+に直結する場合は、こんな感じになります。
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いずれの場合も、絶縁をしっかり取って、あと放熱性等も考慮して下さいな。
なお、いずれの場合も、「電池の逆挿し」には対応出来ません、FETがショートします。


まあ、こんな感じです。
ちなみにFETや半導体は、ニセモノが少なからず流通しています。
日本の場合、電子部品の専門店、例えば「秋月電子通商」や「共立エレショップ」、「マルツオンライン」などであれば、まあだいたい正しいFETが手に入るので、個人的には電子部品の専門店での入手をお勧めしますよ!。
よりきちんと入手したい場合は、「RSコンポーネンツ」や「Mouser」などもありますが、こっちはちと専門性が高い感じです。
Amazonやアリババ、Fasttechからの入手は、あまりお勧めしませんよ!。

以上です。

参考文献:
 ・MOS FETによるスイッチングの基礎 | マルツオンライン 
 ・NchパワーMOSFET(40V195A) IRLB3034PBF: 半導体 秋月電子通商