こんにちは。

さて今回は。
電子タバコ用の基板で、一部に採用されている。
「IVH基板」につきまして。
取扱の注意点を、まとめてみたいと思います。

ご注意:
 いわゆるお約束とか、一般論ではなく。
 あくまで、オイラの経験ベースのお話です。
 注目点やノウハウは、自己責任レベルです!。
 なんかやらかしても、オイラは何もできませんよ!。

さて、「IVH基板」とは。
「Interstitial Via Hole基板」の略。
複数の配線が層状に重なっている、「多層プリント基板」の、製造手法の一つです。
まあ、対義語は、「貫通基板」です。

これは何か?。
多層プリント基板の場合、「層の間」に絶縁体を挟む必要がありますが。

貫通基板の場合:
・絶縁体をベタっと全面に塗る
・上に配線を作る
の繰り返しで基板を作る
最後に、ドリルで穴開けて、層の間の導通を取る

IVH基板の場合:
・絶縁体をベタッと全面に塗る
・絶縁体に対して、レーザー等で穴開け加工する
・上に配線と、絶縁体に穴開けたとこへの導通を確保する
の繰り返しで基板を作る

な、違いがあります。

詳細は、このへん参考のこと:http://jpca.jp/whatscircuit/vol_07/

IVH基板は、貫通基板と違い、「層の間で閉じた」導通を作ることができます。
こんな感じね。
kiban
ここに書いてある、「BVH」が、ブラインドビアホール、つまりIVH基板で作れる導通、「貫通TH」が、貫通基板で作れる導通です。

IVH基板は、貫通基板と異なり、層の間でのみ導通を確保出来るため、配線や貫通THを意識する必要が薄れ、より部品を高密度に実装することができます。
反面、貫通基板に比べ、コストが高いこと、また、絶縁体の加工が必要で、貫通THに比べてBVHは強度的に弱いため、配線と絶縁体の接着強度があまり強くないデメリットがあります。

電子タバコ用の基板は、ほぼ貫通基板だったのですが。
「dicodes」社は、IVH基板を採用しています。

実際の基板を見てみましょう。

まず、DNA200。
dna200ki
黄色い丸で囲ってある所が、貫通THです。
配線が丸くなってて、真ん中に穴が合いています。
これが、ドリルで開けた穴です。
穴の中はメッキされていて、導通が取れています。
大げさですが、左上の水色丸部分みたいな構造になっています。

BF60を見てみましょう。
DSC03005
CPU回りに丸いのはありますが、穴が空いてなく、かすかに凹んでいる様に見えます。
これが、BVH、ブラインドビアホールです。
ドリルで穴を開けているわけではないので、基板裏面まで貫通していません。

貫通基板は、ドリルで穴を開けるので、表面と裏面で、「穴」が貫通しているのが分かります。
IVH基板は、ドリルで穴を開けるわけではないので、表面と裏面で、「穴」は貫通していません。

具体的には・・・。

DNA75:
kibandna

BF60:
kibandic
双方共、上のCPUサイドは、上下反転してあります。
DNA75は、「穴の位置」が表面と裏面で一致しているのに対して、BF60は、「穴の位置」が表面と裏面で一致していないのが分かるかと思います。
*DNA75のCPU回りなどに見える、「銀色のちょっと大きな円」は、スルーホールではなく、テストパッドです。
 導通を取るための構造ではありません。

まあ、見分け方と、大まかなしくみは、こんな感じ。

では、IVH基板を取り扱う上での、注意点を。

IVH基板は・・・
・配線と絶縁体の接着強度があまり強くない
・ビア打ち放題なので、貫通基板に比べ、他の層に熱が逃げる可能性が高い
・絶縁層が薄いことがあり、また部品直下にも配線を入れられる為、逃げた熱が他の部品に伝搬する可能性が高い
・貫通基板に比べ、部品間が狭まっている場合がある

ことがあります。
まあ、ぶっちゃけ、貫通基板に比べ、
・配線が弱い
・熱かけづらい
・熱かけすぎると、他の部品壊しやすい
・部品間隔が狭いかも
という認識を持っていれば、よろしいかと。

まあ、手前味噌ですが、、、。
BF60を使った実例を。

まず、論理配線。
DSC03014
BF60の場合、SW1-3のポジティブ側(右の3本)のTPがかなり接近しており、簡単にブリッジを起こします。
また、SW3のTPとスイッチ3は、かなり接近しており、扱いには注意が必要です。
スイッチ3のTP側の足と、SW3のTPは、同一ネットなので、ハンダ的にはくっつけても大丈夫ですが・・・。
各外部スイッチは、負論理動作なので、片側をGNDに接続します。
オイラは、BF60のCPU側のGND(左側)に接続しましたが、このGND、かなり熱が逃げます。

また・・・
kibanbu
かなり部品が接近しているので、ウデに自信が無い場合は、このTPは使わないほうがいいかも知れません。

DDC側の、大電流系は、こんな感じにしてみました。
DSC03015
BF60の場合、アトマ出力、バッテリー入力、及びチャージャー入力には、電流制限抵抗やヒューズがいるため、熱ブロックの役割を果たし、結構スムーズにハンダ付けが可能です。
が、GNDはベタなので、かなり熱が逃げ、ハンダ結構やりづらい感じです。
そしてGNDはCPUサイドにも回ってますし、他の部品もぶら下がりまくってる為、熱を掛けすぎると危ないです。
のでオイラは、TP全面にハンダをベタ付けせず、「ポイント」な感じでハンダを盛って、配線を接続しています。

配線後の全体図は、こんな感じ。
DSC03018
大電流系は、配線の「重さ」があります。
なので、配線にテンションを掛けないように、予め最適な長さを算出して、たわんだりしないようにしています。
論理線は、UL3302-AWG32を使用し、配線の軟からさでテンションが伝わらないようにしています。

大電流系は銀メッキETFE電線を使っているため、配線がかなり硬いです。
ので・・・。
DSC03020
配線だけで、基板保持ができる、副次的なメリットがあったりします。
BF60は、基板固定穴が無いため、シリコン線などを使用すると、基板が暴れてしまうかも知れません。

最後に、基板や配線が暴れない様に、ポリイミドで固定して、完成としました。
DSC03021

ハンダは、セオリーでは、「290度・5秒」ですが。
経験上、ソレだとはんだ付け失敗するので。
「450度」設定で行っています。
DSC02775

使用したこて先は、4Φのデカい奴。
DSC02774
1Φのも試してみましたが、論理線すらうまくいかなくて、、、ね。
こて先は、大きい方が熱容量が大きく、素早くハンダ付けすることが出来ます。
ハンダ付け時は、特に高電流線は、線とTPに予備ハンダしたあと、両方同時に温めるイメージで、素早く、ね。

但し、4Φあると、特に論理用TPは、ブリッジとかします。
ちょっとはんだ付けに、工夫が必要な感じです。

あとは・・・。
これはIVH基板には関係無いですが。
DNA40をBF60に換装する場合は、DNA40よりBF60のほうがインダクタの背が高く、またスイッチも実装されていることに留意が必要です。
オイラは、HANAのV4dに組み込んでみましたが、コイツ、かなりギリギリを攻めていて・・・。
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BF60入らないので、電池ボックスを交換し、シングル仕様として対応しました。
DSC03026

DNA40のビッグスクリーンと、OLEDのサイズ、及び表示位置は同一です。
DSC03025

以上、IVH基板の取扱、オイラ的なやりざまの、紹介でした。
まあ、配線の際は、ご留意を!。

以上です。